Tuesday, December 17, 2013

どうやって働く企業を選ぶべきかということ

選択に正しい・間違いはない

南場智子さんという方をご存知でしょうか?
DeNAを作られた張本人です。数ヶ月前、南場さんが本を出版されました。
『不恰好経営』という本です。


私はその本を2日で読み切りました。
その中にとても印象的な文章があったので引用したいと思います。
DeNAを退職して、文筆業になることを決めた方が書いた、退職日の挨拶メールです。


先日、大学時代の知人たちに「退職して文筆業に専念する」と伝えると、皆から「お前大丈夫か?」「将来ちゃんと考えているか?」と言われましたが、笑って聞き流しました。 7年前DeNAに就職することが決まったことを告げた時も、彼らは同じように言っていました。「お前大丈夫か?」「将来をちゃんと考えているか?」と。

「選択」に正しいも誤りもなく、選択を正しかったものにする行動があるかどうかだけなのだと信じています。 

「選択肢に正しい、間違いというのはなく、選択したあとに自分がどれだけ頑張ったかでそれが正当化されるかがきまる。

すてきな言葉だと思いました。

どっちの企業/どの企業に勤めることが正しいのだろう、という風に悩んでいた自分がバカバカしくなりました。そんなことよりも、自分が選択した事が正しくなるように頑張る事が大切なのだと、心の底から感じました。

大企業かベンチャーか

大企業でもベンチャーでもどちらでも働かせてもらった私でさえも、どっちが正解などわかりません。ここ(※)にも書いてありますが、そもそもベンチャーと大企業は全く違うものであり、必要とされることも学べる事も全く違います。したがって、結局は自分次第。どっちの方が自分らしく、楽しく働けるかを考える事が大切なのだと思います。

そしてなにより大切なのは、決めたら本気で取り組む事。前述通り、選択肢に正しい・間違っているはなく、結局は自分がそれを正しいとできるかが大切なのですから。

(※)ベンチャーか大企業か

私が大切にしたいと思う軸

1回で既にお伝えしましたが、私が大切にしたいのは、


という点と「楽しいかどうか」という点だと思います。

それって論理的じゃないけど大丈夫?となりそうですが、私はいいと思っています。もちろん、既に出口が決まっているならば、それに向かって一番の近道を辿るべきでしょう。しかしそうでないならば、自分が心から楽しいと思える場を選べばいいのだと思います。

スティーブジョブズも語っていますが、自分のintuitionにしたがって生きていると、後ろを振り返ったときに、点が繋がっていたという話があります。3年後すらどうなっているか分からない時代に、「死ぬときにどのような状態にありたいか?」から考える事は、なかなかできる事ではありません。もし、そうであるならば、直感にしたがって生きる方が、結局は幸せになるのではないでしょうか。



私自身、大学時代からこれまでを振り返ったときに、驚くように点と点とが繋がっていました。大学2年生の時、なんにもなかった私に挑戦する機会をくれたコンサルティング会社の皆さんには本当に感謝しています。そこがなかったら今の自分はいないと、断言できるからです。

半年で退社した会社について、ムダだったか?と聞かれれば、「NO」と言うでしょう。あの会社で働けたから今の自分がいるし、こういうことを感じられる自分がいるのです。

もし、今の自分のやっていることに疑問があるならば、一度外を向いてみてはどうでしょうか?転職活動経験者として、何かお手伝いできる事があれば、いつでもご相談いただけばと思います。




Thursday, December 12, 2013

転職活動をして気づいたこと

転職活動という行為

日本ではどうも転職活動をすることに、ちょっとしたハードルがあるようです。また、転職活動をしたことがマイナスに映るのではないかと感じている方もいます。

私自身が転職活動を始めたのは、入社してから4ヶ月目のこと。とりあえずは、外の世界を(違う仕事を)見てみようと思ったのがきっかけでした。それで外の世界に憧れたらそっちに行けばいいし、もし今いる世界が好きだと感じられれば、そのままいればいいと思ったのです。

私の実質的な転職活動期間は、2ヶ月。その間に転職イベントと転職エージェント、企業への直接アプローチを行いました。

結局は自分で動かないと×

これはあくまで入社したての私が転職活動をした経験談ですが、結局自分で情報を取りにいき、自分から企業に売り込んでいかないとダメだな、と感じました。つまり、転職エージェントに任していては×ということです。
(たぶん、年収1,000万クラスの人は、勝手にヘッドハンターがいい案件をもってきてくれるでしょうが…)

一番驚いた(というかショック?)のは、転職エージェントでした。私はてっきり、自分の夢やこれまでの経歴を聞いた上で、どこの業態、企業であればやりがいを持ってイキイキと働けるのかを、付きっきりで相談に乗ってもらえるのかな?と思っていました。しかし実際はそうではなく、最初の小一時間で自分のことを話して、あとは企業を紹介してくれるだけ…。

「その人が、どうすれば幸せに働けるのか」

それを本気で考えて仕事をしているエージェントに出会う事はありませんでした。もちろん、そんな一人一人と向き合っていたら人件費がかかって儲けが出ない!と言うのでしょうが、それって寂しいなと感じてしまいます。

結局は、就活と一緒で、自分のやりたいことを考えて、自分の強みがどう活かされるのかを繋げる。この作業をとにかく繰り返すだけなのです。

働けなる前に転職を

前職に限らず、仕事が大変で病気になりそう/なったという方に最近お会いすることが多くなりました。そんなときに必ずお伝えするし、納得してくれるのが、「一度外の世界を見てみたら?」ということです。

前述通り、私も転職活動の最初の一歩は、「一度外の世界を見てみるか!」でした。そして、結果として私は外の世界に居場所を求めたのです。

一番もったいないのは、病気になって働けなることです。働くという行為は、良きも悪きも人間の人生の大半を占めます。民主主義の国家に住んでいる以上、「労働」という行為を通してしか、お金を得ることはありません。(生活保護とかもありますが…)

病気になって仕事ができないということは、「お金を得て生きていく」という手段をなくしてしまうということになるのです。

「人生を豊かにするために仕事がある」

仕事は、人生を豊かにするツールでしかありません。が、大切なツールです。であれば、その仕事は、辛く、病気になるものではなく、楽しく、面白いものにしたいと思いませんか?

「楽しく、面白い=簡単な仕事、楽な仕事」という意味では決してありません。それは人それぞれでいいと思います。

ただ、仕事が原因で病気になり、働けなくなりそうならば、転職を考えてもいいのだと私は思います。

誰に相談するべきか

私はあまり転職活動を他人に相談しなかったですが、本来はすべきだと思いました。これまでずっと一緒にいた友人やお世話になっている社会人の先輩など色々な人の意見を聞いて判断する方がベストな決断が下せるでしょう。もちろん、最後に決断するのは自分ですが…。

私も転職活動が終わってから、たくさんの人に相談しました。終わってからというタイミングが正しいとは思いませんが、時間があるなら相談して、自分でしっかり納得してから新しいところでスタートしたいという思いがあったからです。

ただし、あまりオススメしないのは、自分が勤めている人事や会社が抱えるサポートセンターなどです。理由は簡単で、彼らの仕事の任務は、いかに人を辞めさせないかだからです。

特にサポートセンターなんて、辞める人が多ければ契約を打ち切られることだってある訳ですから、なんとしても離職率を抑えようと努力するはずです。
もちろん、中立な立場からアドバイスしてくれる方もいることも事実なので、そこはケースバイケースですが…。

とにかく、自分だけで考えすぎない事です。
いろんな人の意見を聞いて、自分の強み、自分の素晴らしい点に気づくべきです。
(※)
「自分が思っているより美しい(You are more beautiful than you think)」という動画がありますが、まさにその通りだと思います。他人に聞いてこそ、自分の強さ、素晴らしさに気づく事が必ずあります。)



海外に居場所を求める

私はそこまで海外を回ったといえるとは思っていませんが、それでもアメリカ、スペイン、タイ、ベトナム、カンボジア、シンガポール、オーストラリアと見てきました。特に途上国で感じた事は、日本人が活躍できるフィールドはまだまだあるということです。

大学生の時など若いときに海外に行く事をよくオススメされますが、私もそれには大賛成です。

なぜなら、海外に行くと世界が広がるからです。大学、東京、日本という枠から飛び出し、世界に飛び出す。そこにはまだ見た事がなく、経験した事がない世界が広がっています。

企業に入ると、どうしてもその企業の範囲でしか物事を考えられなくなります。自分の勤務地が地方であればあるほど、平日・休日問わず過ごす人が同じ職場であればあるほど、残念ながらその枠を超えて物事を考えられなくなってしまうのです。私自身も、元々はそうでした。

しかし、ふと考えてみれば、我々日本人が活躍できる場は、日本ですら広がっている。ましてや世界には、もっと可能性が広がっています。もちろん、賃金や生活水準は日本と同様で、というのは難しいかもしれませんが、それでもやりがいがある仕事が外にあるなら求めるべきだと思います。少なくとも、枠から外に出られず病気になり、働けなくなるのだけはもったいなさすぎます

転職活動は楽ではありませんし、本当に悩みます(笑)。今の仕事の方がいいのか、転職した方がいいのか…。どっちが正しいのか悩む事もあるでしょう。

ただ、「どっちが正しいのか」と悩む事が、いかに無駄であるか最近感じました。
それを次回でお伝えしたいと思います。

次回に続く…






Tuesday, December 10, 2013

私が前職を辞めた理由

久しぶりのブログ更新です。 

身の回りがバタバタしており、ずっとブログを書く時間を取れませんでした…。 一段落して、ある程度まとまって書きたいことができたので、 今回から数回に渡ってここ数ヶ月であったこと、感じたことをありのままに伝えたいと思います。 

最近、
「転職したの?」とか
「何してるの?」と嬉しいことに気にかけてくださる方が多いので、
しっかりと自分の現状を報告します。

また、入社間もなく自分の仕事に疑問を感じている人にも、何か為になる情報をお伝えできると思います。

なので、この数回のブログの対象者は、

  • 「おい齊藤、なにやってるんだよ!?」と感じている方 
  • 入社間もなく、仕事に疑問を感じている方
ということになるかと思います。

流れとしてはこんな感じの内容で書きたいと考えています。

  1.  私が前職を辞めた理由 
  2. 転職活動をして気づいたこと
  3. どうやって働く企業を選ぶべきかということ
 (※)執筆中にタイトルが変更になることがありますが、ご容赦ください。 

注意していただきたいのは、 これから数回に渡って書くことは、あくまで私見だということです。 「自分の体験談に基づいて書いており、絶対的な事象ではない」ということは、大前提とさせて下さい。

私が前職でやりたかった事

私の前職は、日本ではかなり有名なアパレルの会社でした。この会社とは、学生時代の時から知っていて、CSRに力を入れている面白い企業だな〜と感じていました。

就職活動時代、他の企業の面接練習になると思って選考過程に乗っかった会社に、まさか本当に入るとは思いもしなかったです。

当時の私は、

  • グローバルで働きたい
  • 途上国で仕事をしたい

という願望を強く持っていたので、そういう軸で就活をすることにしました。

グローバルで展開している、もしくはしようとしているいくつかの会社から内定をもらいましたが、その中でも、
「この会社の下で、途上国(特にカンボジア)で店舗を立ち上げたい!」
という目標が明確になった、この会社に入社することを決めました。

カンボジアで店舗を立ち上げて、ビジネスを展開することに成功したならば、

  • カンボジアの人の成長に貢献することができる
  • カンボジア政府としても優秀な人材が育ってくれることになる
  • 会社としても利益を生むことができる

と考えたのです。


海外の店舗で感じたこと

私は、就活が終わってからの半年間、カンボジアでインターンをさせてもらっていました。
NPO法人かものはしプロジェクトという主にカンボジアにおける子どもが売られる問題を解決するために活動している団体でお世話になったのです。

カンボジアでのインターンを終えて、日本に帰国する際、
私はタイ、シンガポールに立ち寄って帰国することにしました。理由は、海外にある就職先の店舗に行ってみたかったからです。いずれ自分がやってみたいことを既にやっている、会社の先輩方に会って刺激を受けたかったからです。

タイでもシンガポールでも、どちらもアポイント無しでお願いしたにも関わらず、快く話しを聞いてくれました。ある人は食事に連れて行ってくれ、ある人は忙しい中、仕事をしながらも話しを聞いてくれました。

海外の店舗は、殆どマニュアル化されておらず自分たちでゼロベースで考えることをしていました。CSRやセールの決定は日本のように本部が行うのではなく、自分たちで行うという点に、「面白い!」と感じました。

今でもfacebookを通じて、現地からの投稿を見ますが、スタッフと仲良く遊んだり、コミュニケーションを取っている姿が素敵だなぁと感じています。

そんな海外での仕事の仕方を目に焼き付けて、私は帰国をしました。

日本の店舗で感じたこと

日本では奈良の店舗に配属になりました。関西弁を喋りたかった私にとっては、とても嬉しい知らせでした。

日本の店舗で働いてみて、最初は楽しいと感じました。分からないことだらけの環境なので覚えることがいっぱい。手探りの中、他のスタッフの方に支えられながらなんとか仕事をしていたのです。

しかし、2ヶ月くらいが経った時、ふと
「何かちがうぞ」
と感じる瞬間がありました。その感覚は、日が経つに連れて大きくなりました。

その時は、すぐにそれが何なのか分かりませんでした。しかし、落ち着いて考えられるようになった時、それがはっきりしたのです。理由は、3つありました。

  1. マニュアルへの嫌悪感
  2. 刺激が足りない職場
  3. 疲れきった現場
(※)繰り返しますが、あくまで私が体験したことだということが大前提です。全ての場所で、こういう状況かどうかは私の知りえないことです。

マニュアルへの嫌悪感

企業が大きくなればなるほど、基本的にはマニュアル化を実施します。それは、利益率を上げるためには当然のことで、不思議なことではありません。ムダを徹底的に省き、右といえば右を向いてもらうためには、マニュアル化が必須なのです。

私はあまりマニュアルが好きではありません。なんだか、自分らしさを否定されるような気がするからです。

そこでは、挨拶の仕方、礼の角度、電話対応、商品の配置…殆ど全てにおいてマニュアル化がなされていました。

私がもうダメだ…と思ってしまったのは、
「ある商品Aの売上を上げるにはどうすればよいか」
を考える時でした。

コンサルのケースで出題されそうな、この課題。取り組み甲斐があると思っていました。しかし、実際に蓋を開けてみるとそうではなかったのです。

商品の配置は基本的に決まっていて、在庫数もある程度割り当てられている。POPは本部からの規定のものがあり、その設置方法も決まっている。ディスプレイもありますが、それも本部で規定されている…。つまり、自分たちができることは、せめて店頭での声出しくらいだったのです。

これって、誰がやっても同じだな…

それが私が感じてしまった点だったのです。

刺激が足りない職場

東京やカンボジアにいる時は、常に刺激的でした。
自己啓発のセミナーに出席したり、夢を本気で追いかける人や様々な業種の人に毎週会ったりしていました。しかしながら、職場ではそうはいきませんでした。他の業種の人と会うことはなく、夢を本気で追いかけている人も殆ど居ませんでした。

自分の夢を語ると、すごいね!と言ってくれて嬉しいかったですが、自分よりさらに上を行く存在を近くに置かないと心配になる私にとって、それは恐怖でしか無かったのです。

このままだと自分の炎が消えてしまう…。このことは私を焦らせました。

疲れきった現場

辞める一番の理由になったのは、コレでした。

私にとって一番の衝撃な出来事は、上司が欝になって休職したことでした。その時は、欝がこんなに近い存在なんだと思い知らされましたし、怖くなりました。

その後も欝ではないものの、体調不良を訴えるスタッフが数人出てきました。

その時、ふと感じてしまったのです。この日本のシステムはいずれ海を渡って海外いくだろう。そうすると、自分が幸せにしたいはずの人たちが不幸になってしまうと。

確かにこのシステムが必ずしも海を渡るという確証はありません。しかし、いずれマニュアル化していくであろう海外も、そう遠くはない未来、日本同様になる可能性があると感じたのです。

じゃあ本部に行けばいいと思いました。しかし、残念ながら日本全国に広まったシステムを簡単に変えることはできないと思いました。きっと少なくとも3年〜5年はかかるだろうと。

しかし、残念ながら私はそこまでやる気はないと判断しました。それならば自分で彼らを幸せにできる方法を考えてやる!と思い立ったのです。


マイナス面ばかり挙げてしまいましたし、これだとただの嫌な会社に見えてしまいますが、そんなことはありません。実際働いている方の中でも、一緒に働きたい!と心の底から感じたタイとシンガポールで出会った方々がいたのは事実ですし、多くのことを学んだのですから。

そんなこんなで、転職をすることを決めた私は、仕事をしながらも転職活動を行いました。今考えると、奈良から東京を何往復もしたことは、よくやったなぁと我ながら感じますが、それほど当時は必至だったのだと思います。

次回は、転職活動中に感じたことをお伝えしたいと思います。

P.S.
そういえば、今回のブログを書いていて、『面白法人カヤック』が、

「何をするかより誰とするか」

と言っていたのを思い出しました。

同じ会社にも関わらず、海外でお会いした人たちとは、心から一緒に働きたい!と感じた。それは、私が会社の事業とかではなく、「誰とするか」の部分で、この方達と働きたいと感じたからなのだと思います。

就活の時はそれほど大切だと感じていなかった「誰とするか」。今になって、その大切さと本当の意味が分かった気がします。