Sunday, September 22, 2013

大切な人の死の悲しみを和らげる、たった1つの方法

大切な人の死の悲しみを和らげる、たった1つの方法


大切な人の死。想像できないような悲しみ、怒り、恐怖が襲ってきます。そんな状況を少しでも受け入れ、少しでも和らげる方法があるとしたら・・・。そのヒントは、大切な人との「引き継ぎ」にありました。

今回は、流通ジャーナリスト故金子哲雄氏が妻と取り組んだ、「引き継ぎ」の方法を紹介したいと思います。




引き継ぎ・引き継がれる関係を作っておく
大切な人の死の悲しみを和らげるには、「引き継ぎ」の関係を生前より作っておくことが重要になります。そのポイントは、3つ。
①報・連・相の実施
②どんな時でも「ありがとう」を伝える
③横にいて、同じものを見つめ、相手を理解しようとする

①報・連・相の実施
どんな関係であれ、お互いを尊重し、信頼するには、最低限の報告、連絡、相談は必須です。その日の予定や予定の変更、頼まれごとの完了報告などを常に行います。これらは決して相手を束縛する目的ではありません。既述通り、互いを尊重し、信頼するためです。

「今日は、17時には家に帰る」
「内容は言えないけど、難しい仕事に関わることになった」
「例の仕事をトラブルになった」
などなんでも構いません。とにかくお互いの状況を常に把握しあっていることが重要になります。
そして、状況に応じて相手に、
「大変だったね」
「大丈夫?」
のように気遣いの言葉をかけてあげることも大切です。


②どんな時でも「ありがとう」を伝える
自分のために何かしてくれた時、その行為に対して感謝の言葉を伝えます。
「〇〇スーパーまで買い物に行ってくれてありがとう!」
「今日のご飯、とっても美味しいね!ありがとう!」
など表現方法は問いませんので、相手が投げた球に対して、常に反応する(=ここでは「ありがとう」と言う)ことが大事になります。

常に反応することが習慣化していくことで、
自分自身がいなくても、
「彼なら(彼女なら)こんな風に言うだろうな/こんな風に反応するだろうな」
ということが分かるようになります。


③横にいて、同じものを見つめ、相手を理解しようとする
相手が何を考えているのか、どういう価値観で物事を見つめているのかを常に理解しようとしましょう。人間は常に変化する生き物です。例えば結婚当初の彼と、10年後の彼では、人は一緒でも考え方・感じ方は変わってくるものです。常に相手を理解しようと努め、変化し続ける中でも同じものを見つめようとすることが必要です。

変化を無視すれば、「分かっているつもり」という自分本位の判断になってしまいます。そうではなく、相手のことを本当に理解し、相手本位での判断にすることが大事です。


引き継ぎから生まれるもの
「引き継ぎ」の関係から生まれるものは、
・死んだ人が側にいる感覚
・生と死の境は一本の線であり、ただ単に「この世」から「あの世」サイドに移るだけという感覚
この2つです。

生前に引き継ぎを行うことで、大切な人がたとえ亡くなってしまっても、常に側にいる感覚が生まれます。それは、大切な人が生前に常にどのような生き方をしていたのか、どのような反応をしていたのかを理解しているからだといえます。

そして「死」がすべての終わりではなく、「あの世」サイドに移るだけであり、大切な人は生き続けているのだという感覚が、悲しみを和らげてくれるのです。もし、自分自身の死後についても大切な人と話し合っていたならば、なおさら悲しみは和らぐでしょう。なぜなら、いずれ自分が「あの世」に行った際に、大切な人とどのように人生を歩むかが共有されているのですから。






「死」を無理やり受け入れる必要はありません。大切な人を亡くした人自身が、死者との新しい関係を意識することで、必要以上に悲しみ過ぎないことが大切なのです。そうすることで、気持ちが外に開かれ、前を向いて進んでいくことができるのです。



Friday, September 6, 2013

オススメの1冊と8月読書のまとめ

8月が終わり、9月になってもう6日。
いやぁ、日が経つのは早いですね。暑かった夏も過ぎ、涼しい季節になってきました。

ずっと更新していなかったブログも復活しようと思い、
その一発目は8月に読んだ本のまとめをしてみました。

たった4冊ですが、
何かお役に立てれば光栄です^ ^

先月読んだ本は、この4冊。
小説2作品と、啓発本2作品。

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ゆーすけ本棚 - 2013年08月 (4作品)



【簡単内容紹介!】
幸せになるための方法論を、理論ー具体例ー実践法で紹介している本。
52例も紹介されているので、まずは1つから始めてみては?

風の歌を聴け (講談社文庫)
村上春樹
読了日:08月04日
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【簡単内容紹介!】
村上春樹のデビュー作品。
現在の村上ワールドが完成される前の作品を楽しんでみてはいかがだろうか。


【簡単内容紹介!】
未来の働き方を問う一冊。
今後ますますIT化・ボーダレス化が進む中で、あなたはどのように働くべきなのか?

アフターダーク
村上春樹
読了日:08月05日
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【簡単内容紹介!】
日が沈んだ夜の世界。その中で起こる数々の出来事。
夜はいつか明けるように、あなたの身の回りで起こる闇(問題)もいつかは明ける。
そんなメッセージを含んだ作品を是非堪能あれ。
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これらの本の中で、私が最もオススメしたいのは、

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン



こちらの一冊。
2025年の未来を描き、これからの働き方について説いている本です。

作者が描く2025年は、テクノロジーが今以上に進化し、またグローバル化も加速している世界。車でオフィスに通うという生活ではなく、PC1台で家を仕事の拠点とする時代。スケジュール管理などはすべてコンピュータの自動。会議は世界中のあらゆる人とホログラムをしようして実施する。そんな世界。

国境という概念が無くなっていけば、自ずと仕事で競争しなければいけないのは自国の人々だけではなくなる。世界中のあらゆる人が相手。そんな世界をあなたは、

「ただ漠然と迎えるのか?」
それとも
「主体的に行動していくのか?」

漠然と迎えれば、現代のワーキングプアになりかねない。
そして誰しもそんな未来は望んでいない。であれば、今から出来る事をやっていこうじゃないかと作者は言う。

作者が唱える、我々が未来に向けてやるべき事は3つ。

自分が興味を抱ける分野で高度な専門知識と技能を取得する(ジェネラリストではなくスペシャリストになること。但し、一つだけに特化すると世界観が狭くなるので、一つに集中しながらも他の技能も身につける必要がある)。

友人関係や人脈などの形で人間関係資本を育むこと。特に強い信頼と深い友情で結ばれた少数の友人との関係を大切にしながら、自分とは違うタイプの大勢の人達とつながりあうことが大切になる。

③所得と消費と中核とする働き方を卒業し、創造的に何かを生み出し、質の高い経験を大切にする働き方に転換する。(仕事やそれ以外、例えば家庭、何を大切に生きるかは人それぞれである。ただ、これまでのような「所得が高い→モノを持っている→幸せ」という古い価値観ではなく、人それぞれの価値観でバランスよく生活することが大切。


作者が予想する世界は、多少違った形だとはいえ遅かれ早かれやってくると私も思います。その時に自分がどのようになっていなければならないかを本気で今から考えておく必要があるのではないでしょうか。現実になってから考えたのでは、もう遅い(「気づいたときには、終わっている」の世界)。とにかく、自分がどのような働き方をし、どのような世界を創りたいと思っていて、どのように死にたいのかを、大切な人と一緒に考えていく必要がありそうです。

上記の本と同様のテーマで非常に面白かったのが、『機械との競争(エリク・ブリニョルフソン著)』という1冊。こちらは、機械の進化が人間の仕事を脅かす世界を描いています。『ワークシフト』同様、今後の自分の働き方をどうするべきかに関して、本気で悩める1冊で、こちらもオススメしたいです。


【機械とどのように付き合っていくのか?】
人間の職が機械によって侵食されていき、最終的には一部の知識階級者と大部分の肉体労働者に二分されて、格差社会がより進行するのではないか?とふと感じて、この本を読み始めた。

本書によれば、コンピュータの進化のスピードは極めて速く、「ムーアの法則」(集積回路上のトランジスタ数は18ヶ月ごとに倍になる)に則り、確実に前に進んでいる。人は未だそのスピードに危機感をいだいていないが、「チェス盤の法則」にもあるように、中盤を超えたあたりでそのスピードに恐怖感さえ覚えるようになるだろう。

人間にしかできない仕事。それは2つあると本書は説く。
1.創造性・リーダーシップを必要とするもの
2.人間にしかできない複雑な動きの持つ肉体労働
前者は高給取り、後者は低賃金となり、賃金に対する格差はさらに広がっていく可能性はある。ただし、将来的に機械が上記2つもできるようになる可能性もあるので、気にかける必要はある。(ドラえもんの映画、ブリキのラビリンスのような世界観)

我々がすべきことは、機械といかに共存していくかであり、また自分をどのように成長させるかである。前者は、全世界的には政治的な面も踏まえて議論されるべきである。一方の後者は、そうはいっても機械の進化のスピードを弱めることはできない中で、自分がどのように対応していくのかをしっかりと考えることだ。

機械が人間にしかできないと思われていたことを、やってのける日もそう遠くはない。