Saturday, November 10, 2012

−第1回− FSUNツーリスト社長狐塚芳明さん


One Direction 〜自分を信じて進む者たち〜
—第1回— 狐塚芳明(こづかよしあき)さん



(左から2番目が、狐塚さん。左から3番目は、ブログの著者)
【経歴】
197249日生まれ。獨協大学外国語学部卒業。東京都出身。学生時代に1年間過ごしたカンボジアで働きたいと考え、1997FSUNツーリストに入社。2005年から今まで社長を務める。
(FSUNツーリスト HP:http://blogfsun.blog120.fc2.com/)


■ご挨拶

齊藤 こんばんは!

狐塚 こんばんは〜!

齊藤 本日は宜しくお願いします。

狐塚 こちらこそ。

齊藤 早速インタビューに入ろうと思うのですが・・・
   97年に大学を卒業された後、どこの会社に就職されたのですか?

狐塚 今の会社のFSUNに入社したね。
   それを後になって俺が引き継いだって感じなのかな。

齊藤  なるほど。ちなみに、いつから社長をされているんですか?

狐塚 えーと、正式には、2005年からだね。

齊藤 ということは、97年に入社されてからは、約8年間社員として働いていて、
   2005年から本日まで社長をされているとうことですね?

狐塚 そうなります。





(今回のインタビュー場所、「YOKOHAMA」。狐塚さんが経営されているレストランです)

■カンボジアにハマっちゃった学生時代

齊藤 そもそも、なぜFSUNに入社しようと思ったのですか?

狐塚 カンボジアに来たのよ、学生時代に。

   その時に、「ここだな!」って思ったんだ。
   当時はバブル崩壊後で、大企業への就職が困難だったわけ。
   ソニーとかトヨタとか。
   結局さ、例えばどっかの何とか製作所とかしかなかったのよ。
   でも、そういうのが嫌だったのね。
   だから、外国行ってなんかやりたいなって思ったの。
   ほら、俺外国語学部だったでしょ?
   そんなわけで、外国語に対してこだわりがあってね。
   それでも、英語はみんな興味あって、競争激しいでしょ?
   だったら、カンボジア語(クメール語)で、って思ったのよ。
   それで、カンボジアを選んだわけ。

齊藤 でも、どうして学生時代にカンボジアに行こうと思ったんですか?

狐塚 うん。
   もともとはインドに行きたかったのね(笑)。
   実は、前の年にインドに2ヶ月くらい旅行しててね。
   「あ!面白いなこの国!」って思ったわけ。   
   だから、今度は1年学校休んで世界1周に行って、
   滞在するメインの国をインドにしようって思ったわけよ。
   だけど、
   その目にちょっとカンボジア寄ってみようと思って行ったら、
   そこで1年間も留まっちゃったわけ(笑)。

齊藤 え?インドへ行かずにですか(笑)?

狐塚 そうそう(笑)。カンボジアが非常に楽しくって。

齊藤 何が楽しかったんですか?

狐塚 人だね〜

齊藤 人ですか?

狐塚 うん。

齊藤 もうちょっと具体的に説明いただけますか?

狐塚 カンボジアのイメージって、地雷とかポル・ポトとかじゃん。
   めちゃくちゃ危ない凶悪な人たちがいると思ったらさ、
   正反対でみんな優しいじゃん。
   そこにハマっちゃったんだろうね。
   でも、そこには不思議な陰があってさ。カンボジア人って迫力あるでしょ?
   そこに魅せられちゃったね。

齊藤 滞在していたのは、プノンペン(カンボジアの首都)だったんですか?

狐塚 そうそう。

齊藤 何やっていたんですか?1年間。

狐塚 ホームステイしてたね。

齊藤 カンボジア人の家にですか?

狐塚 うん。  
   よく通っていたコーヒーショップがあってさ。
   そこで、英語ガイドをやっているカンボジア人がいたのね。
   そこの人が、今後日本語ガイドもやりたいから、日本語を勉強したいと。
   じゃあ、うちでホームステイしないか?って話になったわけ。

齊藤 お金とかは貰っていたんですか?

狐塚 いや、普通はこっちが払わないといけない立場でしょ?ホームステイだし。
   でも、あっちは大丈夫だっていうわけよ。
   それでも申し訳ないから、
   朝ごはんと夕ごはんの代金は払わせてくれって言ったの。  
   それでも、月50ドルだったけどね(笑)。

齊藤 じゃあ、日中は何をされていたんですか?

狐塚 日中は基本的にフラフラ観光してて(笑)、
   夕方は近所の小学校で日本語を教えていたね。毎回1時間ずる。

齊藤 ということは、その経験は自分の中で大きかったんですか?

狐塚 そうだね〜。
   初めてコンタクトしたカンボジア人が、
   ホームステイした大家族だったり生徒だったりしてたからね。
   それって観光じゃない部分でしょ?
   だから、すごく深いことまで学べて、
   カンボジアの良さや楽しさを植え付けられたって感じだね。

齊藤 なるほど。
   確かに、その経験からカンボジアを選択するっていうのは、
   必然的で理解できるのですが、旅行業界である必要性はないですよね?

狐塚 そうだね。

齊藤 その中で、旅行業界を選んだというのは、
   時代的にそれしかなかったからということなんでしょうか?

狐塚 うん、そうだね。当時は選択肢がなかったね。
   その時は、大使館かNHKかNGOか旅行会社かって感じで。
   いろいろ考えたけど、ハードルが低い旅行会社かなって(笑)。

齊藤 いろいろな旅行会社がある中でなぜFSUNだったのでしょうか?

狐塚 そうだね〜。
   日本で何社か面接してさ。
   その中で、当時のFSUNの社長が一番魅力的だったよね。
   当時の旅行会社なんてどれも小さかったからさ。
   一番楽しそうなところ行こう〜って思ったのよ。

齊藤 最初は、どういう仕事をされていたんですか?

狐塚 最初は、ガイドだったね〜。
   プノンペンとシェムリアップを毎回飛行機で往復してたよ(笑)。
   カンボジアに来たらアンコールワットは絶対に行くからね。

齊藤 ガイドの楽しみってなんでしょうか?

狐塚 うん。やっぱり、お客さんと話しできることかな〜。
   仕事としては、ガイドで説明しながらお客さんと話ししてるんだけどさ。
   それを超えて、
   「狐塚さん、将来どうするんですか?」とか
   「お客さん、何をされているんですか?」とか、
   そういう話しできるのが楽しかったな。
   あとは、こっちにいると日本では出会えないような人たちに会えるのね。
   芸能人とか、大企業の社長とか。
   その人たちとある種、対等に話ができる事が楽しかったな。

齊藤 じゃあ、何年くらいガイドをされていたんですか?

狐塚 メインでしていたのは、1年だけだね。
   それ以降もちょくちょくやってはいたけれど、
   主に旅行手配とか見積とかの事務職をしていたかな。







■暑っ苦しい人間関係の大切さ

齊藤 社長になる前と後で、違うなと思った点を教えてください。

狐塚 やっぱり、全然質が違うじゃん?
   その・・・それまでは不満しかなかったのね。
   ほら、上司がグワって怒るじゃん。それがよく分からなかったんだよね。
   それで嫌なヤツだなって思ってたんだよ。
   でも、自分が社長になってから、 
   「あっ、こんなことやってたんだ、この人」
   って感じるようになったな。
   上に立たないと分からないこと、いっぱいあるなって。

齊藤 具体的に上に立たないと分からないことってなんでしょう?

狐塚 例えば、資金繰りの心配だね。
   当時は給料が、月300ドルとかだったんだけど、
   黙っていて毎月給料がもらえるサラリーマンとは違うなって。
   もっと俺、稼がなきゃって思ったよ。

齊藤 それを感じてからは、やっぱり働き方って変わりましたか?

狐塚 すっごい変わったね。

齊藤 へぇ〜!どんなところがですか?

狐塚 社員だった頃って、メンドくさって思うことたくさんあるわけよ。
   こんなクダラナイことに、こんな時間かけるなんて!とかってさ。
   でも違うのよ、社長になると。
   どんな面倒なことでも、少しでもお金になると思ったら、
   徹夜してでもするのよね。

齊藤 はぁ〜

狐塚 自分の頑張りが会社儲け=自分の儲けに繋がるからさ。
   それは、仕事の質もそうだけど、人との繋がりにも影響したな。
   これまでは、なおざりにしていた人間関係も、
   社長になると気を使うようになるのよ、やっぱり。
   「〇〇さん!一緒に飲みましょうよ〜!」みたいにさ。
   もっと深い人間関係を作ろうとするんだよね。
   だから、「あぁ、この取引先面倒だなぁ」
   とかって思わなくなったな。
   人間は、イヤ事も含めて楽しくやっていかなきゃいけないんだって、
   その時スゲエ感じたな。

齊藤 やっぱり、仕事においては、究極的には人間関係なんですかね?

狐塚 今は時代が変化したから、
   顔を合わせるだけじゃなくて、FacebookやTwitterとかも
   コミュニケーションのツールとして大切だと思う。
   でも、やっぱり人対人で、
   涙流しながら抱き合うとか、
   飲み会で喧嘩したり語り明かすみたいな人間らしい行動、
   ハートに訴えかけるものは常に大切だって信じてるけどね。

齊藤 狐塚さん自身は、足りないものって何だと思いますか?

狐塚 う〜んそうだな・・・。
   俺は、どっちかというと
   人間らしいコミュニケーションに欠けているなって思うかな。
   他人の家に土足で入る的なダイナミックさは欠けていて、    
   もっとクールな自分なんだよね。
   よそよそしいとか言われること多いからさ(笑)。

齊藤 へぇ〜!なんだか意外ですね(笑)。 
   よそよそしい感じは、これまで接してきている中であまり感じないですもん。

狐塚 (笑)。
   でも、思うのは、
   自分の強みを「ガーン!」って思いっきり伸ばす方が良いってことかな。
   ダメな所を平均値に持っていくことも大切だけど、
   むしろそれよりも、良いところをめちゃめちゃ伸ばして、
   ダメな所が見えなくなるくらいにしちゃえば良いんじゃないかって思うよ。

齊藤 逆に自分のいいところって何だと思いますか?

狐塚 あー、そうだな・・・
   自分の信じることに疑いを持たずに、突き進むところかなぁ。

齊藤 具体的に何かありますか?

狐塚 例えばさ、カンボジアにいること自体だよね。
   日本の人からすればカンボジアって、
   まだ危ないとか汚いとか、そういう負のイメージでしょ?
   だから、日本に帰って家族と会うと言われるのよ。
   「親戚に、息子がカンボジアにいるって言いにくい。
   カナダとか アメリカにしてくれ」って(笑)。
   でも自分はそうは思わないわけ。
   「この国は良い国なんだぜ!」ってギャフンと家族を言わせたいよね。 
   「カンボジアなんですか!?シェムリアップなんですか!?
   メッチャカッコイイじゃないですか!」
   って言わせたいよね(笑)。






■人を育てられない会社では困る

齊藤 今、社長をしていて楽しい事ってありますか?

狐塚 うん。楽しいことが多くてね。
   こうやって、いろいろな人が話しを聞きに来てくれたり、
   自分がやりたいことをそのまま実現できることかな。

齊藤 なるほど。逆に辛いことってなんかありますか?

狐塚 人材育成の難しさ。
   カンボジア人は、モチベーション高いんだけど、
   将来が見えにくい社会なのよ。
   つまり、ビジョンが描きにくいし、それ故にあまり信用してくれない。
   だから悲しいなって思うこともあるよ。

齊藤 今後の事業の予定について、教えてください。

狐塚 事業に関しては、今やっていることを現地化させていきたいかな。
   かつ、俺がいなくなって現地化させた後でも、
   より経営状態が良くなることかな。

齊藤 現地化ってことは、自分が社長を退くってことですよね?

狐塚 そうだね〜。
   アドバイス程度はしてもいいけど、
   それ以外はなにも実権がない状態にしたいかな。

齊藤 なるほど。そこから2つの質問が出てくるのですが。
   一つは、なぜ現地化にこだわるのかということ。  
   そしてもう一つが、現地化させた後自分はどうするのかということ。
   いかがでしょうか?

狐塚 現地化ってことについては、
   いつまでも日本人がいなければいけない会社って
   ダメだなって思うようになったことがきっかけかな。
   結局さ、
   現地化できないってことは、人が育っていないってことでしょ?
   最近、会社として一番大事なことって、人を育てることなんじゃないかな、
   って思うのね。だから、現地化が一つの証明になるのかなって思うよ。

   次に俺が何をやるかっていうことについては、インドで事業をやりたいのね。
   それも一からやりたいね。ビジネスモデルは、たぶん旅行かな〜。
   まぁ予定だけどね。

齊藤 今後の人生っていう点では、やはりインドが拠点になるんですか?

狐塚 いや、そういうわけではないね。
   インドは、次の目的地ということであり、人生で考えるとそうではないかな。
   もっと地球人的な生き方がしたいなって思う。
   どこでも生きていける。躊躇なくどこでも行って暮らせる。
   そんな生き方をしたいなって思う。

齊藤 今後、カンボジアはどう変わると思われますか?

狐塚 インフラと教育。
   この二つが一気にこの5〜10年くらいで伸びるんじゃないかな。
   特に教育は、より多くの人が関心を持って、
   親が積極的に子どもを学校に通わせると思うな。
   一方で、この国の国づくりの軸がよく分からないから、
   政治や文化という側面では、どう発展するのかは予測立たないな〜。

齊藤 最後に今の若者に一言をお願いします!

狐塚 日本人とか東京とか出身大学とか、
   そういう小さい枠組みで考えるんじゃなくて、
   地球人という大きな枠組で、
   自分の価値観や想像力を膨らませるべきだと思うかな。
   20代っていうのは、ものすごく感覚が研ぎ澄まされているから、
   なおさらそれを信じて頑張るべきだと思う。
   海外に行くのも大事だけど、
   人の話をよく聞くとか、人に話しかけるとか、
   そういう身近なところからでも始められるから、やってみたらいいと思う。
   とにかく、インプットとアウトプットを躊躇せずに繰り返すこと。
   それをすることで、研ぎ澄まされるんだと思うよ。

齊藤 なるほど!
   今日は、お忙しいところ、本当にありがとうございました!


ー編集後記ー
「人が育っていない会社は、ダメだ」
この言葉が今回のインタビューの中で一番印象的だった。
「人が育たないのは、その当事者自身の問題だ!」とか
「会社は、自分の金儲けためにあるんだ!」とか
そういう話を聞くことがあるけれど、
この言葉で、そういう考えを持つ会社は、「ダメ」なんだなと思うようになった。
先日あるテレビ番組で、
「経営者として大切な事は何だと思いますか?」
と聞かれていた人がいた(その人は、これから経営者になろうとしている)。

その人は、こう答えた。
「お客様の笑顔です」

お客様の笑顔を作るには、従業員の満足、笑顔が欠かせないだろう。
そうでなければ、決してお客様を笑顔にすることは出来ない。
私はこの言葉を聞いたとき、この会社は、きっと従業員やお客様が笑顔で溢れる会社になるんだろうなと思った。


お金は確かに大切だ。狐塚さんも述べているように、お金がなければ会社は倒産してしまう。しかし、それは結果論でしか過ぎないのではないかと思う。
従業員の笑顔、お客様の笑顔があってこそ、お金がついてくる。そう思えてならない。

いずれ自分も人の上に立ち、人を育てることになる。
その時には、
「人が育っていない会社は、ダメだ」
という言葉を肝に銘じていきたいと思う。

自分も従業員もそしてお客様も、みな笑顔になる。
そんな組織を、私も作りたい。






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