Friday, October 12, 2012

シンプルに考える事の大切さ

『Think Simple』という本が発売されたり、『Simple is the best』という言葉があるように、「シンプル」という言葉には、とても馴染みがあります。



 しかし、
「なぜシンプルがいいのか?」

と、ふと問われると困ってしまいませんか?

分かりやすいから?
考えなくていいから?

んー、よく分かりませんね笑。
実際私も最近まで、シンプルの素晴らしさを理解出来ていませんでした(というか、シンプルの素晴らしさを考えたことがなかった・・・)。
しかし、あることがきっかけでシンプルについて考えるようになりました。そして、ある解答に辿り着いたのです。

ことのきっかけはNHKの『クローズアップ現代』でした。
当該番組で、伊藤穰一さんというMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの所長をされている方を取り上げた時です。



マサチューセッツ工科大学という世界的に権威のある大学で仕事をしている伊藤さんですが、経歴は決してエリートではありません。正解ありきの大学のやり方に、意義を見出せず学校に行かなくなるという日々が続いていたそうです。そんな時、伊藤さんの父の恩氏であった、ノーベル化学賞を受賞した福井謙一さんに会うそうです。そこで人生を変える一言に出会います。

福井さんは、水面に浮かぶ木の葉を指差し、
「この木の葉の水面で揺れる動きを数式にすることは、非常に難しい。この世界は、大気の流れにしても、株式市場にしても、一見複雑な動きをしていて、まさにカオス(混沌)。しかし、そんなカオスに見える動きの中にも、一定の美しい規則性がある。」
と言います。




そして、福井さんは伊藤さんに
「君、カオスの勉強をした方がいい」
と告げたそうです。

伊藤さんは、その言葉をきっかけにカオスを追い求めて様々な経験をしていく訳ですが、今回は話の趣旨とズレるので、省略します。
(興味のある方は、ウィキペディアなどで調べてみて下さいね♫)

ここで強調したいのは、
「カオス」と「一定の美しい規則性」という部分。
後者は、「コスモス(=秩序)」とも言い換えられるでしょう。

私は、「一定の美しい規則性=秩序」こそが、「シンプル」であると考えます。
「シンプル」であるということは、余計な物がなく、単純化されているということ。それはまさに、「秩序」なのではないかと思うのです。

そして、「シンプル」であることで、ある物事の本質が見え、何をすべきかが分かる。
これこそが、「シンプル」の良さなのだと感じました。

それでは例を挙げて、シンプルの良さを考えたいと思います。

戦争や紛争。

これらは、まさにカオスな出来事。
私は今、カンボジアのプノンペンへ旅に来ています。プノンペンには、キリング・フィールド(Killing Field)というポル・ポト政権時代で、約2万人が虐殺された場所があり、本日訪れて来ました。


頭蓋骨が何千も保管されています

今なお土の中から発掘される、人の服や骨。それらが物語るのは、当時がどれだけカオスだったのかということ。当時の国民の4人に1人が殺されたというのですから、その程度の大きさがお分かりいただけると思います。

私は、上記のような争いにでさえも、お互い(自分と敵)が共有している、シンプルな何かが探し求められるのだと思います。そのシンプルな何かが見つけ出せたとき、つまり、カオスの中にある一定の美しい規則性を見い出せたとき、争いを止める最も強力な手段になると感じます。

ビジネス、勉強、途上国の発展、渋谷のスクランブル交差点、政治・・・
世界中には、様々なカオスのテーマがあります。
それら一つ一つに、必ずシンプルが眠っているのだと私は考えます。

あとは、それを探そうとするかどうかなのだと思います。
それは簡単ではない。しかし、探し求めて上手く使用すれば、

自分

自分の周り

世界

が変わるのではないかと考えます。

私は番組を見て以降、早速、カオスに敏感に生きるようにしました。
普段の生活、行動、国の文化などからカオスを感じようと意識しています。
近い将来、カオスを極めて、誰も手をつけられないような問題の中からも、一定の美しい規則性を見つけ出し、問題を解決できるように・・・。

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